一日の終わり、
灯りを落としたあとの部屋には、
昼とはちがう静けさがあります。
何かをしようとしなくても、
ただそこにいるだけで、
呼吸がゆっくり戻ってくるような時間。
そんな夜に、
香りがそっと重なると、
その時間が、もう一段深くほどける気がしています。
夜の灯りが落ち着くと、
目に入る情報が減って、
自然と感覚が内側に向いていきます。
その静かな流れの中で、
香りは、強く主張するものではなく、
空気に溶けるようにそこにある存在。
灯りが空間を整え、
香りが、その時間の温度をやわらかくしてくれる。
そんな役割分担があるように感じます。
香りは、
気分を変えるためのものでも、
何かを頑張るためのスイッチでもなくて。
ただ、
今の自分に戻るための合図のようなもの。
お気に入りの香りをひとつ置くだけで、
その夜が、
「もう十分だった」と思える時間になることがあります。
灯りを落とし、
香りのある空気の中で過ごしていると、
スキンケアの時間も、
作業ではなく、流れの一部になります。
手の動きがゆっくりになって、
肌に触れる感覚にも、
自然と意識が向いていく。
何かを足すというより、
その日の疲れを、
静かにほどいていくような時間です。
夜の時間に、
灯りと香りがそろうと、
その日が、きちんと終わった気がします。
何かを成し遂げなくても、
今日はここまでで大丈夫。
そんなふうに思える夜が、
少しずつ増えていけばいいなと思っています。
